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■親権について

 夫婦に未成年の子供がいる場合、父母のどちらかを親権者と定めなければ離婚届は受理されません。未成年の子供が複数いる場合、子供ごとに親権者を定めることが可能です。なお、離婚後は、父母両方の共同親権とすることはできません。
 親権者は父母の協議で定めるのが基本ですが、話し合いがつかない場合は調停を申し立てることも可能です。協議離婚自体の調停と同時に申し立てることも可能です。
 親権者とは、未成年の子の法定代理人のことです。未成年者は、制限行為能力者といって、一部の行為を除いて契約締結などの法律行為を一人ですることができません。例えば、子供が18歳で高校を卒業していたとしても、車を買ったり、一人暮らしの部屋の賃貸契約など一人で契約することが出来ません。親権者の同意や親権者の代理により契約することが必要となります。

■親権者の変更

 親権者の変更は原則として、裁判所の審判が必要となり、一度決めた親権者は、容易に変更することは出来ません。なので、後で親権者を変更してもらえばいいやと、離婚の際に安易に親権を相手に渡してしますのは得策ではありません。ちなみの監護者の変更は当事者の合意で変更することが可能です。
 親権者の変更は容易に出来ないと説明しましたが、いくつかの例外があります。
例外1:父母の婚姻中に懐胎し、離婚後に子が生まれた場合、母親が自動的に子供の親権者となります。この後、父母の協議で親権者の変更が可能です。この場合、裁判所の許可は不要です。
 親権者は自動的の母親になりますが、子供が入る戸籍は婚姻中の父母の戸籍に入ります。つまり、母親と子供に氏が別々になるケースの方が多いのではにいでしょうか。
例外2:未婚の父母の間に生まれた子は、母親の戸籍に入ります。母親が母親の両親の戸籍に入っている場合、新しい戸籍が作られます。親権者は自動的に母親になります。
ただし、母親が未成年の場合、母親の両親が未成年の子の親権者となります。

■監護権者

 親権者と監護権者を分けることはあまりお勧めしません。子供の戸籍を移動する場合などに不都合が生じます。母の戸籍に入籍させる場合の裁判所の許可審判の申立時や再婚時の再婚相手との養子縁組時などです。その他にも売買契約など親権者の同意無くして契約はほとんど何もできません。
 監護権者は、離婚届やその後の戸籍にも記載されないので、もし分離する場合は、離婚協議書や公正証書などの書面にしておくようにしましょう。


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